2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本版CADISの開発とアトピー性皮膚炎児の母子への看護介入の検討
Project/Area Number |
21792282
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山口 知香枝 Chubu University, 看護実習センター, 助手 (70514066)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / QOL / 育児支援 / 看護介入 / 尺度開発 / Family Impact / ケア提供者 |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎は、特有の症状から、患児本人に限らず家族にも多くの影響があり、その影響の大きさから、母親をはじめとする家族へサポートが非常に重要であることは明らかである。本研究では、アメリカで開発されたChidhood Atopic Dermatitis Impact Scale(CADIS)の日本版を開発すること、その結果を分析することにより、アトピー性皮膚炎の子どもの家族へのよりよい看護介入または育児支援のための示唆を得ることを目的としている。 今年度は、アトピー性皮膚炎の子どもをもつ家族への看護実践やライフステージに応じた家族への援助等に関する国内外の論文の文献検討を進めた。また、アトピー性皮膚炎の疾患特性と母親の生活困難に関する予備調査の結果を分析した。その結果、疾患特性としてあげた重症度については、重症度が上がるとともに、スキンケア、睡眠、環境整備の困難が高まり、合併症では、合併症のある群の食事困難が高いという結果を得た。これらの生活困難は、アトピー性皮膚炎の疾患特性を起因として起こり、Family Impactの概念の一部分と捉えられると考えた。文献検討と予備調査の結果から、わが国におけるアトピー性皮膚炎の子どものFamily Impactの構成要素に関する概念枠組みの仮説をたてた。現在、CADISは翻訳版の作成中である。 今後は、翻訳したCADISが対象者にとって回答しやすいものかどうかという内容確認を行う。また、原版はアメリカで開発されているため、日本の文化を反映させるべく、実際にアトピー性皮膚炎の子どもをもつ母親数名にインタビューを行う予定である。その後、内容分析を行い、結果を概念モデルに照らして、仮説にないドメインが抽出された時にはそれを設問に加え、日本版CADISの試案を作成する。
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