2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本版CADISの開発とアトピー性皮膚炎児の母子への看護介入の検討
Project/Area Number |
21792282
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山口 知香枝 中部大学, 看護実習センター, 助教 (70514066)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / QOL / 育児支援 / 看護介入 / 尺度開発 / Family Impact / ケア提供者 |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎(以下AD)は,特有の症状から,患児本人に限らず家族にも多くの影響があり,その影響の大きさから,母親をはじめとする家族ヘサポートが非常に重要であることは明らかである。本研究では,アメリカで開発されたChildhood Atopic Dermatitis Impact Scale (CADIS)の日本版を開発すること,その結果を分析することにより,ADの子どもの家族へのよりよい看護介入または育児支援のための示唆を得ることを目的としている。 今年度は,ADが患児とその家族にどのような影響があるか詳細に分析を進めた。 既存のデータを解析し直した結果,子どものADの重症度はケア提供者の生活困難に影響を与え「スキンケア」「睡眠」「環境整備」3領域に正相関が認められた。合併症の有無は,ケア提供者の生活困難のうちの「食事」の困難が高く,合併症と家族機能では,合併症あり群は有意に適応性得点が高かった。本研究結果は,小児保健研究第70巻2号pp245-251に掲載された。 ADの子どものFamily Impactに関し,Walker and Avantの手法を用いて概念分析を行った。その結果,概念属性は「Child domain」では"Symptoms" "Activity Limitation" "Treatment" "relationships with others"が抽出された。「Parents domain」では"Role of Family" "Cost" "Family Function" "Daily Life" "Emotion"が抽出された。Negative Impactが多いなか,"Family Function" "Daily Life" "Emotion"の3領域では,Positive Impactも抽出された。本結果については,国際家族看護学会にて発表予定である。 また,翻訳版CADISについて表面妥当性の確認を行い,さらに,日本の文化を反映させるべく,実際にADの子どもをもつ母親5名にインタビューを行った。 今後はこの結果をもとに日本版CMISの試案を作成し,調査を行う予定である。
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Research Products
(1 results)