Research Abstract |
本研究では,退院から在宅療養への移行期にかけて在宅療養支援に関連する他機関,他職種と連携に着目し,総合病院として機能する病院の退院支援担当の看護師または社会福祉士,居宅介護支援事業所の管理者に対し質問紙調査を行い,在宅療養支援における個人情報管理と情報共有の問題点と現状を調査し,個人情報保護管理の徹底と連携促進に向けた情報共有のあり方を検討することを目的とした。これら結果を元に,在宅療養支援における適切な患者情報の取扱いと管理のあり方について検討し,医療,介護現場の実情に見合った指針の作成への示唆を得たいと考える。 研究の進捗状況としては,2009年12月末までに,先行研究・文献レビュー,有識者,実務経験者からの情報収集等を行った。更に,情報の共有とその取り扱い・管理の状況,問題点等に関する質問紙作成に向け,事業所及び施設の特性,職員の特性,情報の共有方法,『医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン』に沿った対応および具体的対策の状況,他施設・他職種との連携の状況については,『連携活動評価尺度』(筒井;2003)を参考に,在宅療養支援の場面に即した項目を検討した。その後,2010年1月末までに退院調整部門の担当者および居宅介護支援事業者計10名にプレテストを実施し再度内容を吟味した。調査対象は,2009年12月現在,WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)に登録されている病院のうち病床数が計200床以上をある病院2,709件および居宅介護支援事業所32,231件うち,県別事業者数構成比に合わせ層化無作為抽出を行い抽出率10%となる3,223件を対象とし,3月31日までに全調査対象者に調査票を郵送した。現在,返信待ちの状況である。
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