2009 Fiscal Year Annual Research Report
職場のメンタルヘルス対策におけるケースマネジメント・モデルの開発
Project/Area Number |
21792296
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山田 淳子 Gunma University, 医学部, 助教 (60431714)
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Keywords | 労働者 / メンタルヘルス / ケース・マネジメント / 産業看護職 |
Research Abstract |
本研究は、職場のメンタルヘルス対策における二次予防レベルでの産業看護職によるケースマネジメント・モデルを開発することを目的とする。研究期間は、3年とし、1年目である本年度は、職場のメンタルヘルス対策における二次予防活動に関する動向と、「ケースマネジメント」の概念枠組みを把握することを目的に、文献検討を行った。 その結果、職場のメンタルヘルス対策における個人レベルでの対策については、ストレスチェックリストやストレスマネジメント法等多くの研究報告が示されているが、これらは、ストレスの気づき等個人のストレス耐性の向上(一次予防)に焦点を絞ったものであった。また、職場のメンタルヘルス対策におけるケースマネジメント機能に関して、職場復帰支援(三次予防)については、厚生労働省より「心の健康問題により休業した労働者への職場復帰の手引き」が公表されるなど先行研究によりその手順が詳細に示されている。しかし、ストレス反応の段階で早期に発見し健康障害を予防する二次予防レベルでのケースマネジメント機能について、産業医が常勤ではない事業場に所属する産業看護職の手法を具体的に示したものはほとんど見受けられなかった。また、「ケースマネジメント」の概念については、アメリカの社会福祉領域のソーシャルワークを母体として生まれた概念であり、日本で多く活用される「ケアマネジメント」と、概念としては同義で用いられている。ケースマネジメントは精神障害、発達障害、高齢者、慢性疾患、児童虐待、エイズなど、生活に困難を来している人々を支援する共通の方法であり、有用性が広く認められるようになっている実践モデルであることが明ちかになった。今後は、職場のメンタルヘルス対策における二次予防レベルでの産業看護職によるケースマネジメント・モデルとして適応するために、実践者とともにケースカンファレンス等を行っていく予定である。
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