2009 Fiscal Year Annual Research Report
幼児健診における小児肥満予防に向けた保健指導指針の作成
Project/Area Number |
21792301
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
芳我 ちより University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (30432157)
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Keywords | 幼児肥満 / 文献レビュー / 生活習慣 / 親の食意識 / コホート研究 |
Research Abstract |
本研究は、幼児期からの肥満予防に向け、母親の養育態度・食意識・体型などがどのように肥満に影響するのか、コホート研究により明らかにし、小児肥満の予防に向けた幼児健診時の保健指導のための指針を作成することを目的としている。初年度は先行研究を概観し、小児期の肥満予防における知見を調べ、幼児期の肥満を予防するために、肥満関連要因である生活習慣(食事・睡眠・運動)、親の食意識へ介入する必要性を明らかにした。また、幼児期における肥満予防のための研究は少数であったが、学童期以降を対象とした多くの研究との比較対照により、これまでの学童期対象の研究成果が適用できる可能性が見出された。 そこで、これまで甲州市を対象としたコホート調査のデータを活用し、肥満関連因子の中でも特に親の食意識について、どのような意識が肥満と関連するのか、より具体的な知見を得るため、2006年に実施した調査で得られた親の意識と、2年後の子どもの体格にどのような相関が認められるかを明らかにした。その結果、(1)男児において親が子の食事を制限しようとすることが後の肥満につながること、(2)女児において親が子の体重を心配することが後の体重減少につながること、が明らかになった。このことは、親の認識が子の性別により違いがあることを示しており、実際の保健指導時に介入方法を子の性別により変える必要があることを示唆している。今後は、親の意識と実際の食事摂取量の関係や、幼児期の親の意識との相違について明らかにする必要がある。 食事摂取量は、これまでカロリー計算をしたり、単位数を計測したりする方法が用いられてきたが、これらは煩雑になりやすく、調査対象者への負担が大きい。そこで、食事量を測定するための簡便なツールとして手ばかりの有用性を検証した結果、外的妥当性が明らかになった。
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