2009 Fiscal Year Annual Research Report
ITを用いた双方向性精神的ケアシステムによる退院支援
Project/Area Number |
21792305
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保田 正和 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (80452267)
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Keywords | 在宅支援 / ITフォロー / 糖尿病 / 双方向性 / 生活習慣 |
Research Abstract |
我々はInformation technology(IT)を利用して在宅ケアを推進することが患者の精神的不安、家族の介護負担、医療・福祉費用の抑制につながると考えている。そこで、既存のITインフラ(テレビ電話)を用いて、患者側と医療者側が双方向性に交流できるモニターシステムを構築し、在宅ケアにおける有用性を評価しようと考えた。今回の研究では理方向性モニターシステムを利用した週1回の定期的な生活指導が糖尿病患者の血糖コントロール、精神的ストレスの緩和に有効であるかを検討した。具体的な方法は高度先進医療病院の医師、看護師と糖尿病患者の自宅をITインフラ(テレビ電話)により双方向に結び、週1回、30分程度の生活指導、糖尿病に関する相談を12週間継続することである。主な通信内容は毎日の体重、食事記録、実際の食事をテレビ電話で共有し、指導を行うことであった。測定項目はア)年齢、性別、家族構成(イ)食生活、運動習慣、服薬状況、生活リズム(ウ)糖尿病の理解度、生活習慣改善に対するストレス(エ)検査データ(身長、体重、体脂肪率、血糖値、HbAlc、インスリン濃度等)(オ)治療状況;使用している薬、インスリン療法、合併症の有無であった。さらに、介入前と外来受診時、介入12週間後にアンケート(糖尿病問題領域質問表:PAID)を行った。現在6名の介入群からデータを得ることができており、介入前に比べ、12週間後の体重、HbAlcの値に改善が見られている。また生活習慣に関するアンケートから、糖尿病患者自身の食事に対する意識に変化が見られた。医療者側からは、週1回通信することが糖尿病患者の自己管理を見守る意味で大変有効であるという意見があった。今後さらに介入群を増やし、外来通院のみである対照群と比較することによりデータ解析を進める予定である。
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Research Products
(1 results)