2010 Fiscal Year Annual Research Report
ITを用いた双方向性精神的ケアシステムによる退院支援
Project/Area Number |
21792305
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保田 正和 京都大学, 医学研究科, 助教 (80452267)
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Keywords | 在宅支援 / ITフォロー / 糖尿病 / 双方向性 / 生活習慣 |
Research Abstract |
在宅療養中の糖尿病患者を対象に、看護師によるテレビ電話を用いた定期的な交信が、日常生活における患者・家族の食事や運動、服薬等の自己管理をサポートし、血糖コントロールにどのような影響を与えるかを検討した。また、定期的な交信が患者の精神的な不安、ストレスを緩和できるかについても調査した。対象は京大病院内分泌代謝内科において、外来通院中である糖尿病患者10名を選定した。テレビ電話にて相談に応じるのは医師・保健師・看護師で、京大病院と研究対象者の自宅を双方向性に結んだ。交信は週1回、30分程度の相談で、12週間継続した。内容は、(1)1週間分の体重、服薬状況、運動実施状況等を記入したセルフチェック表を対象者とともに確認し、助言する、(2)カメラで撮影した実際の食事をテレビ電話モニターで確認し、栄養指導を行う、(3)健康状態の観察や助言、『日常生活での相談を行う、であった。介入前の対象プロフィールは平均年齢63±7歳、平均体重69.0±17.8kg、平均罹病期間14±8年、平均FBG134.7±39.4mg/dl、平均HbAlc7.4±0.8%であった。介入3ヶ月後、全員の平均HbAlc値は有意に減少し6.9±0.6%であった(p<0.01)。また、介入3か月後の体重も有意に減少した(p<0.001)。生活習慣に関するアンケートから、糖尿病患者自身の食事に対する意識に変化が見られた。 今回の研究では、12週間のテレビ電話介入により、平均HbAlc値と平均体重が有意に減少した。週1回の交信を行う前提として、毎日必ず体重と食事内容を記録し、それを資料として1週間分のまとめと指導をテレビ電話で行った。結果的に食事を中心とした自己の生活について毎日振り返ることで、生活習慣に対する意識が高まり、行動の変化が生まれ、HbAlc、体重の有意な減少につながったと考えられた。
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Research Products
(3 results)