2012 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険施設における認知症の三次予防に効果的な園芸療法プログラムの作成方法の研究
Project/Area Number |
21792310
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺岡 佐和 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60325165)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 園芸療法 / 三次予防 |
Research Abstract |
【目的】先に行った研究結果を踏まえ、認知症の重症化(三次)予防を目指した園芸療法を実施し、対象者の状況と施設職員の認識から、三次予防に効果的な園芸療法の作成方法を明らかにすることとした。 【方法】特別養護老人ホームに入所中の認知症高齢者を対象に、アクティビティの一環として、定期的に約60分間の園芸療法を行った。園芸療法プログラムは、先行研究において効果を確認した夏野菜とチューリップを用いた活動を柱として設定し、適宜、季節を感じる植物や生長の早い植物を扱う活動、振り返りや話し合いなどを取り入れた。毎回、園芸療法終了後には参加した施設職員と研究者とでカンファレンスを行い、各対象者の園芸療法時や最近の日常生活の状況に関する情報交換や確認、園芸療法の方法について検討し、実施したプログラムについて評価した。また、全プログラム終了後には施設職員に半構成的面接を行い、プログラム開始前後の対象者および施設職員の変化を明らかにした。 【結果】研究開始時から継続実施した対象者は5名(男性1名、女性4名)であった。認知機能評価に用いたファイブ・コグ検査は、わずかに素点を認めた者もあったが、実施自体が困難な対象者が増加した。しかし、園芸療法時には、対象者同士が会話する場面を頻回に観察したり、植物の苗や葉の形から植物の名前がわかったり、自分の名前の漢字表記を説明することができたりと、生活に必要な認知機能が保たれている場面を観察した。 プログラムの中でも、夏野菜を扱ったセッションは対象者の反応や記憶保持の状態が良好で、認知症の三次予防に効果的であることが確認された。また、施設職員への面接の結果、対象者が日常生活において他者と関わりながら、安定した生活を送るようになったと感じていた。さらに、施設職員自身も対象者との関係性を見直す機会になり、対象者に寄り添ったり、生活を守ったりすることにつながると感じていた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)