2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラオスの腸管寄生虫症対策に関する研究-効果的治療と再感染防止に向けた健康教育の試み
Project/Area Number |
21792317
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 加奈子 Aomori University of Health and Welfare, 健康科学部・看護学科, 助教 (30438080)
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Keywords | ラオス / 腸管寄生虫症 / 駆虫効果 / 健康教育 / 学校保健 / Child to Childアプローチ / 少数民族 / メベンダゾール |
Research Abstract |
ラオス人民民主共和国(以下ラオスとする)の北部農村地域において、腸管寄生虫症に対して(1)駆虫薬(メベンダゾール:MBZ)100mgを6回の複数回服薬に対するコンプライアンスを明らかにする。(2)寄生虫症の感染と生活環境、習慣・慣習に関する実態調査により、ラオスの生活の中の感染の人的・物的関連要因を検討する。(3)現在小学校で行われている健康教育が、学童を介し、家族、地域にどのように伝わっているのかについて明らかにする。以上3点を目的にし、平成21年8月と平成22年3月に現地調査を行った。 (1) 保健医療従事者の直接観察下での服薬した群と学童へ配布・説明を行い自己服薬を行った群では、駆虫効果に有意差は認められなかった。よって、ラオスの学童は、小学校での健康教育を行った後、駆虫薬を手渡しすれば、6回の自己服薬は可能であらた。今回の結果により、より効果的な方法での服薬の実現可能性が示唆された。 (2) 多民族国家であるというラオスの特徴を踏まえ、ラオ族、モン族の2グループに分け生活習慣を踏まえた生虫症感染に関するKAP調査を行った。ラオ族では生野菜の摂取に、モン族では手洗い習慣にKAPが有意に低かった。民族の生活習慣の特徴を加味した健康教育の必要性が示唆された。なお、生活環境と感染との関連については、現在調査を継続中である。 (3) 小学校で現在行われている集団健康教育の地域への波及の実態を調査した。学童は、学校での集団教育の学びを69世帯中13名の世帯に伝達していた。しかし、その内容は、嬉しかったこと、実際経験したことなど、断片的な内容に限られていた。学童の発達段階の特徴を加味し、教育方法のさらなる工夫の必要性が示唆された。
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