2010 Fiscal Year Annual Research Report
膝関節痛をもつ中高年者を対象とした自己管理スキル学習プログラムの開発
Project/Area Number |
21792325
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
金谷 志子 大阪市立大学, 大学院・看護学研究科, 講師 (00336611)
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Keywords | 膝関節痛 / 自己管理 / 中高年者 / 看護介入 |
Research Abstract |
膝関節痛は在宅中高年女性の健康や生活に大きな影響を及ぼしているが、通院治療をしていない膝関節痛をもつ在宅高齢者の教育プログラムの開発と評価はほとんど行われていない。本研究の目的は、膝関節痛をもつ在宅中高年女性の健康を維持・増進するための方策として、セルフケアの教育プログラムによる介入を実施し、その効果を分析することであった。 本研究の対象は、A市健康診査において膝関節に疼痛がある診断され女性42名である。対象者には、日常生活動作をしやするためのスキルの習得を中心とする教育プログラムを実施した。プログラムの内容は、(1)膝関節痛の原因、(2)膝関節痛の自己管理、(3)膝関節痛を緩和するためのウオーキングと運動であった。介入前、介入終了3ヶ月後に、日本版変形性膝関節症機能評価尺度(Japanese Knee Osteoarthitis Measure ; JKOM))、主観的膝関節痛の程度(Visual Analogue Scale ; VAS)、痛み対処方略(Coping Strategy Questionnaire ; CSQ)日本語短縮版、主観的健康度、主観的幸福感、老研式活動能力評価指標を用いて評価した。 結果、対象者の平均年齢は63.2歳でBMIの平均値は21.8であった。介入前と介入終了3ヶ月後の膝関節の疼痛の程度が低下、JKOMが低下し、有意差が認められた。また、介入前と介入終了3ヶ月後でCSQが低下し、主観的幸福感が上昇し、有意差が認められた。 以上より、膝関節痛をもつ在宅高齢女性に対するセルフケアの教育プログラムは、膝関節機能を向上させ、精神的健康度を高めるのに有効であり、膝関節痛をもつ高齢者のセルフケアは、看護者が高齢者の日常生活動作をしやすくするスキルを見出し、それらのスキルが実践できるよう支援していくことの重要性が示唆された。
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