2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール依存症者の自殺対策に関する研究-断酒会例会参加者の調査から-
Project/Area Number |
21792334
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
宇良 俊二 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教 (10331472)
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Keywords | 自殺 / アルコール / 断酒会 / 希死念慮 / 精神障害 |
Research Abstract |
平成22年度は調査結果も踏まえた報告を各断酒会(18会場、離島4カ所を含む)で行い、断酒会への定着を呼びかけた。当事者および家族、行政も含め延べ259名に対し報告を行った。その際、報告書を141部配布した(希望者のみへ配布)。報告内容としては、断酒できているのは断酒会に参加しているからであると回答した者が82%であったこと。もし酒を飲み続けていれば自殺していた可能性は60%が認めていた。過去に自殺念慮のあった者が60%おり、その時にアルコールが入っていた者が78%であること。自殺未遂を行ったことのある者は33%おり、その時にアルコールが入っていた者が77%。特に自殺未遂の経験のある男性(24名)に特徴がみられた。未遂経験のない男性(59名)に比べ、年齢が若く、10代からの飲酒があり、アルコール依存症の診断された年齢も若く、断酒会への出席が不規則である、という特徴である。自殺念慮や未遂は、ほとんどが飲酒時に起こっており、また酒を飲み続けた場合の自殺の可能性も60%が認め、82%が断酒会で断酒できているという結果より、断酒会へ継続的(規則的)に参加し、断酒を維持できれば、自殺も予防できる可能性があることを報告した。また、断酒会の主催する1泊研修会(当事者および家族の参加者約100名)で先行文献も踏まえた調査結果報告を行い、依存症と自殺の関連について説明し、断酒継続が自殺予防に繋がる可能性を伝えた。研究者の所属する学会で2題発表した。また地元新聞社に本調査結果の情報提供を行い、断酒会の知名度の向上およびアルコールと自殺の関連について新聞掲載した(沖縄タイムス、平成22年7月12日朝刊、19面掲載)。
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Research Products
(2 results)