2011 Fiscal Year Annual Research Report
特定健診受診者のニーズと特定保健指導効果に関する行動変容理論を基盤とした研究
Project/Area Number |
21792335
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
桑原 ゆみ 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (80295914)
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Keywords | 看護学 / 特定健康診査 / 特定保健指導 / 行動変容 / 評価研究 |
Research Abstract |
本研究は、4年間の研究期間で、地域住民の健康を維持・向上するために、特定健診受診者の保健行動と健診結果から健診受診者のニーズを把握し、保健師などによる特定保健指導の効果を明らかにする目的で、研究助成を受けている。研究助成3年目の本年度は、(1)平成21年度および22年度に実施した研究知見の学会報告、(2)本年度調査の調整と実施を行った。本概要では、(2)について述べる。 (2)本年度調査の調整と実施 平成21年度から調査地としている一自治体の協力を得て、本年魔調査を実施した。人口約2万人の自治体で健診受診率が約50%となっているが、新規受診者が計画通りには増加せず、本年度の調査は、平成20~23年度に一度でも特定健診を受診した40~64歳の全数を対象とした。,対象者は1,510人がリストアップされ、自記式質問紙による郵送調査を実施した。受診が通年で可能であるため、調査を2回に分割し、第1次調査は1,394人に送付し、配達できたのは1,393人だった。780人から回答があり、新規受診者(平成20年度は受診しておらず、平成21もしくは平成22年度に受診した人)は215人(27.6%)、定期受診者(毎年受診している人)394人(50.5%)、不定期受診者(受けたり受けなかったりしている人)171人(21.9%)だった。この3群別に統計的分析を行ったところ、新規受診者は、配偶者がいない、無職もしくは被雇用者、専門学校・短大卒業の割合が他の群より多かった。健診結果では、新規受診者は定期受診者と比較し、収縮期血圧、中性脂肪、AST、ALTが不良だった。今回対象となった新規受診者は、40歳という健診対象になったばかりの人よりも、健診対象年齢ではあったが健診受診を始めた人が多く、これらの新規受診者は生活習慣病予防のニーズが高いことが示唆された。 なお、第2次調査は116人を対象に実施・回収・分析をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成21年度から3年間、特定健康診査・特定保健指導の受診者・利用者のデータを収集し、分析している。また、経年的に比較するために、データベースを作成している。各年度の新規受診者が、計画当初よりも少ないため、経年的変化の分析は、最終年度に実施可能となると考える。以上のことから、研究の目的の達成度は、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究を推進するために、年度当初から、研究対象自治体の保健師と会議をもち、研究目的・方法を確認し、実施する。 対象者リストの作成やタグシールの打ち出しなどについて、協力していただいているが、研究のための依頼内容と時期について、年間のスケジュールを示し、スムーズにすすめられるように調整する。
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