2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792336
|
Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
近田 真美子 東北福祉大学, 健康科学部, 助教 (00453283)
|
Keywords | うつ病患者の看護 / 状況構成(Tellenbach) / うつ病の回復過程 / うつ病の再発防止 |
Research Abstract |
研究の目的は、うつ病の再発防止に向けて「状況構成(Tellenbach)」の変化の特徴を踏まえた看護面接の方法を検討することである。退院が決まったうつ病回復者2名に対し、以下の指標に基づきインタビューを実施した。 1.生活の再構築を図ることを念頭におきながら対象者の「状況構成」を把握すること。 2。何らかの役割と一体化しやすい傾向を抱えていることを念頭におきながら生活そのものを見直し、身体性の回復に焦点をあてて関わること。 3.身体を含む自己の回復が図られているかを見極めた上で、対象者の語りの中に、自己を客観視する視点が挿入されているのかに着目すること。その上で、対象者自ら生活を再構築できるよう援助するために、彼らの鏡像として内省を促す機会を設けたり、多様な価値観に触れる機会を提供し、彼らの自己洞察を促すよう関わること。 4.心的エネルギーが充満し再び元の生活に戻りつつある場合、過去と現在の自己の振る舞い方を見直してもらうような声かけを行ったり、内省を促すよう関わること。 5.発病時(仕事をしていない自己から離れがたい時期など)は、自己の存在を揺るがしかねない危機的状況にあること理解した上で、彼らに良き受け止め手としての他者の存在の有無を把握すること。万が一、受け止め手が不在である場合は、そこを補う他者や場所が必要であることを考慮し、話を聞く時間を十分に取るよう考慮すること。 しかし、いずれもインタビュー途中で再入院となりドロップアウトとなった。
|