精神科看護における家族ケアリストの開発に関する研究

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21792343
• Research Institution: St. Luke's College of Nursing
• Principal Investigator: 瀬戸屋 希 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 准教授 (10384661)
• Keywords: 精神看護 / 家族ケア / ケアリスト

Research Abstract

本研究は、精神看護領域における家族ケアに焦点を当て、家族ケアの構造と評価に用いるケアリストの作成を目的として行っている。平成21年度は文献検討を行い、精神科における家族ケアに関する論文、学会発表を集積した。家族ケアを概観した論文は多くなく、訪問看護または医療機関における看護ケアについて言及したもの、家族への援助を焦点とした事例研究が多く集積された。精神科における看護技術・看護ケア内容に関する論文の1部に家族ケアが含まれて記載されているものもみられた。
ケア提供の場によって家族ケアの目的や内容は異なるため、今年度はケア提供の場を地域とし、主に訪問看護において、どのような家族にどのようなケアが提供されていたかを文献ごとに整理した。ケアの実施対象は、家族自身への働きかけ、家族と当事者間の関係性への働きかけ、関連職種・家族を含めたネットワークへの働きかけ、など多様であった。加えて、精神科訪問看護を行っている看護師にヒアリング調査を行い、家族ケアの意図・目的、具体的な援助内容、ケアの効果について尋ねた。
家族ケアの目的や方法は多様であり、ケアリストの作成にあたっては、ケアの目的・意図を踏まえながらケア内容を整理することが必要と考えた。また、ケアリストの使用目的を明確にすることが必要であると考えられた。文献検討より得られた家族ケアの内容について、次年度はケアリスト案を作成し、臨床専門家・研究者による討議を重ねて、内容を洗練する予定である。