2009 Fiscal Year Annual Research Report
介護予防事業への継続参加を支援するための看護介入のあり方に関する研究
Project/Area Number |
21792344
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中田 晴美 Tokyo Women's Medical University, 看護学部, 講師 (90385469)
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Keywords | 介護予防 / 看護介入 / 継続参加 |
Research Abstract |
本研究の目的は、介護保険制度における『予防重視型システム』を効果的に運用するため、介護予防事業の提供方法を見直し、継続的な参加率を向上させ、さらに介護予防事業不参加者への対応を含めた取り組みについて検討することである。第1段階として今年度は、介護予防事業参加者の継続参加に至る要因および、介護予防に対する認識の変化について明らかにすることで、事業の効果的な提供方法および、継続参加支援のための看護介入のあり方について検討することを目的に、文献検討ならびに事例調査を行った。その結果、事業に参加するきっかけの段階では、これまで出来ていたことに困難感を生じ、【老いを感じる瞬間】、【将来への焦燥感】が、事業への参加を促していた。また、参加当初の段階では、羞恥心・不安感といった感情を持つ高齢者が多いが、集団での活動を進めていくことで、【孤立感からの開放】、【前向きな自分への気づき】という認識に変化した。さらに、後半の段階になると、プログラムの実践を通し、日常生活上の不具合が解消されていくといった【成功体験の積み重ね】が自信につながり、【自分自身の老化に向き合う】内省の視点から、【周囲の人々への関心の高まり】という社会への視点が拡大した。以上のことを踏まえ、介護予防事業への継続参加を支援するための看護介入のあり方として、1.事業の発達段階毎による参加者の認識の変化を踏まえた働きかけを行うこと、2.自然発生的な交友関係を期待するのではなく、参加者の仲間づくりに視点をおいた積極的な働きかけを行うこと、3.参加者が、事業への参加を通して得られる一つひとつの「成功体験」の積み重ねを、視覚的・感覚的に実感できるプログラム提供方法および、評価方法について検討することが重要であると考えられた。今年度の結果を踏まえ、次年度はさらに、事業不参加者への対応を含めた働きかけについて検討していく予定である。
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