2010 Fiscal Year Annual Research Report
介護予防事業への継続参加を支援するための看護介入のあり方に関する研究
Project/Area Number |
21792344
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中田 晴美 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90385469)
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Keywords | 介護予防 / 看護介入 / 不参加 |
Research Abstract |
本研究の目的は、,介護保険制度における『予防重視型システム』を効果的に運用するために、事業への参加率を向上させ、さらに不参加者への対応を含めた取り組みについて検討することである。今年度は、介護予防事業への不参加者を対象に、不参加に至る要因を明らかにし、介護予防システムからの脱落を未然に防ぐための看護介入のあり方について示唆を得ることを目的に、文献検討および事例調査を行った。その結果、介護予防事業への不参加に至る要因として、'今の自分には関係ない''よく分からない'といった【介護予防関連情報のリテラシーの低さ】があげられ、介護予防事業が開始され5年が経過するが、高齢者に情報が行き届いておらず、理解が得られていないという現状が明らかとなった。また、'友達がいない''慣れないことをして転んだら大変'という【新しいことを始めることに対する抵抗感】、'膝が痛いから運動できない''移動手段がない''地区外の施設に行くことに壁を感じる''家族に迷惑をかけたくない'などの【身体・心理・社会的環境】、'仕事や趣味が忙しい'という【時間的制約】などがあがった。加えて、自治体のサービスに関する情報入手方法は、広報やチラシなどの文字媒体はほぼ見ることがなく、保健師が行う健康教育や民生委員からの紹介などロコミによって、サービスに関する理解・関心度が高まる高齢者が多いことがわかった。以上のことから、介護予防事業への継続参加を支援するための看護介入のあり方として、1.高齢者が介護予防を理解し、実践に至るような効果的な普及方法の開発、2.ロコミ効果を狙い広い世代に向けた情報発信、3.個人勧誘のみならず、グループ単位、地区単位での働きかけの実施、4.高齢者のより身近な場所での事業展開、が重要であることが示唆された。今後の課題は、高齢者の介護予防関連情報リテラシーを向上させる方法についての検討であると考える。
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