2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療機関において自殺が起きた場合の看護師へのポストベンションプログラムの開発
Project/Area Number |
21792345
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小山 達也 Tokyo Women's Medical University, 看護学部, 講師 (90408568)
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Keywords | 自殺 / ポストベンション / 看護師 / 医療機関 / プログラム |
Research Abstract |
医療施設で働く看護師が、患者の自殺でどのような影響を受け、どのように体験を受け止めているか、またそのサポートの実態については明らかされていないことから、本調査では、医療機関において自殺が起きた場合の看護師へのポストベンションプログラム(試案)を開発することを目的に研究を実施している。21年度は、文献検討を中心に看護師への調査項目の検討を実施した。検討の結果、患者の自殺に遭遇することが看護師の脅かされた体験の1つとして捉えられていること、他者とのつながりの中で体験を安全に語ることができる場、およびサポートとして患者の自殺を具体的に共有できるスタッフの必要性について明らかとなった。また自殺は、直接目撃することのショック以外にも,患者の外出中の自殺を知るなど間接的に知ることが看護師に影響をしていること,病棟の人間関係などの文化的な要因も看護師のサポートに影響していることがわかった。 精神科で働く看護師にとって,自殺は身近なことであり,自殺企図や自殺に直面することは避けられない現状が明らかとなっている。一方で精神科以外の分野の自殺については、調査報告がほとんどなく、当該分野での実態は明らかとなっていない。しかし一般科でも自殺が起きることを考えると、ポストベンションの必要性はあるが、調査時には一般科の状況(語ることの負担など)に配慮したインタビューが求められる。 看護師のインタビューを実施する際には、上記を踏まえて自殺が起きた場合の具体的な支援内容・方法について調査すること,影響を受けている看護師を支える組織や職場環境についても質問し、その実態を明らかにしていく必要がある。
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