2009 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティ再生を目的としたプレイスメイキング手法の日本における導入可能性の検討
Project/Area Number |
21800008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三友 奈々 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 準研究員 (30512925)
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Keywords | プレイスメイキング / サードプレイス / 居場所 / 公共空間 / デイビス市 |
Research Abstract |
プレイスメイキングとは、「すべての人間が今住んでいる場所の中に自身を発見できる場所に変えていく方法」であるが、まちの中に居場所をつくることだけでなく、そこが住民に利用され続けているかという点も重要である。 そのため予備調査として、プレイスメイキングに関する文献調査を行うとともに、それを踏まえて<利用>に焦点を当てて、先進事例で観察調査を行った。実態を通して、街路(ストリート)の歩道や車道、公園、広場等における公共空間のサードプレイス化を確認することができ、意義があった。この結果は、文献調査で得られたプレイスメイキングに関する知見と合わせて、来年度の本調査で使用する調査表に反映させるため、本研究において重要な調査であった。 観察調査の結果の例として、街路で確認できた主な事項は次の通りである。「まちなかのお気に入りの居場所」であるサードプレイスは、カフェ等の店舗が代表的であるが、店舗前や店舗脇の歩道にまで、客の居場所となった客席が設置されていた。これは、公共空間のサードプレイス化と捉えるととができ、店舗前・脇の公共空間がプレイスメイキングされたサードプレイス(店舗)であるとも言える。店舗のファサードの透明性を確保することで、店外から店内の活動が確認でき、視覚的に街路の賑わい・防犯に寄与していると思われる例も多く見られた。 公共空間のサードプレイス化に関してその拡がりが見られた米国カリフォルニア州デイビス市では、収集資料に関する内容を補足するために自治体の担当者に対してヒアリングを行い、ダウンタウン内の住宅や店舗に対して、プレイスメイキングの促進を自治体が積極的に行っていることが判明した。市の中心部にある公園では、週に2度、ファーマーズマーケットが開かれている。そこでは、仮設店舗の出現により、園内に多世代の住民の居場所ができ、公園のサードプレイス化にかなり貢献していることが確認できた。
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