2010 Fiscal Year Annual Research Report
人の移動記述データの構造化入力支援手法と移動記述情報の流通に関する研究
Project/Area Number |
21800010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊谷 潤 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (90548702)
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Keywords | 情報システム / 情報工学 / 構造化文書 / 位置情報 / 観光情報 |
Research Abstract |
人の移動に関する記述データ(日記,旅行記やツアーなど)を移動記述データと定義し,構造化入力支援手法によって移動記述データを実空間と関連付け同一フォーマットで構造化された移動記述情報を収集・共有・活用するための仕組み作り,共有された移動記述情報を解析し個人の行動に合わせた情報推薦手法の研究を行った 今年度は構築した移動記述情報プラットフォームに実データを収集し,解析し,利用者それぞれに合わせた有益な情報を還元できる手法の研究を行った. 1.移動記述データの収集 京都エリアを対象に,被験者に旅行記を作成してもらい,本研究の構造化入力支援システムを使用して移動行動の記録および構造化を行った,記述された日記データなどは移動記述情報活用環境に集約され,移動記述情報として一定形式に自動的に変換を行った.また個人の旅行記だけではなく,旅行雑誌に掲載されているモデルプランや旅行会社の提供するツアーデータ,地方自治体や観光局が提供する観光プラン,観光バスやタクシーが提供するモデルコースなどの実際に提供されている移動記述データを440件収集し,移動記述情報として共通の一定形式に変換を行い,移動記述情報活用環境に蓄積を行った. 2.利用者にあわせた入力候補値表示 蓄積された移動記述情報を解析し,利用者の参照数の多い順や個人の過去の訪問数をもとに,利用者にあわせて構造化入力支援システムの入力候補値をソートすることにより,入力システムの操作時間を3倍から4倍に向上することができた. 3.利用者にあわせた訪問場所推薦手法 利用者の経路選択についての分析や場所情報推薦を行うため,N-gramによって移動記述情報に含まれる隣り合う場所間の共起関係を求めた.また場所毎に共起関係を集計し,各場所に「どこから訪れる人が多く,どこへ行く人が多いのか」を解析した.その結果を利用し,開始場所を指定し共起関係の強い場所を選択していくことによってモデルスケジュール案を示す手法を作成した. 以上のように,移動記述データを一定形式で位置情報を付与し構造化を行い集積し共有する仕組み作りを行ったことで,我々の日常の文章入力や移動行動を支援することに活かすことができた.
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