2009 Fiscal Year Annual Research Report
自由意志にもとづく意思決定を可能にする神経機構の解明
Project/Area Number |
21800014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 和昌 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (50548518)
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Keywords | 認知神経科学 / 脳波 / 経頭蓋磁気刺激 / 意思決定 / 自由意志 |
Research Abstract |
本研究では,研究代表者が新しく提案した自由選択課題を用いることが第一の大きな特色である.本年度前半は,この第一段階である自由選択課題プログラムの作成と,その課題パラメータの調節と決定を行った.新しい課題であるため,課題遂行時の被験者の負担や行動データの顕著さに配慮して,課題パラメータを慎重に決定した. 本研究の第二の特色は,研究代表者が所属する研究室にて新しく開発された脳波計測法である磁気刺激誘発性電位追跡システムを用いることである.被験者に磁気刺激を行ううえで,先に決定した課題パラメータでは,短時間で磁気刺激を連続して行う必要があったが,磁気刺激に必要なチャージ時間の関係から従来のシステムでは不十分であることが分かった.そこで研究代表者は,2台の磁気刺激装置を並行して用い,短時間で複数回の磁気刺激を実行可能とした. 本年度後半は,新たに追加した複数台磁気刺激システムが有効に機能しうるかどうかを検証するために,所属研究室の先行研究においてその有効性がすでに確認されている脳領域をターゲットとして,磁気刺激を異なるタイミングで実行する試験的研究を行った.この試験的実験の結果,追加システムが正しく機能することを確認することができた.また現在,自由選択課題を用いた本実験に先立って,それらのデータを解析することで,記録されるデータの信頼性の確認や今後の解析手法の開発を行っている.これらのデータ解析の結果の一部は,シンポジウムや学会等でポスター発表し,研究そのものの意義のみならず,本実験のためのシステムやデザインを改良させるためのフィードバックを得るために有効な成果となった.
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