2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動部活動の存立構造に関する研究:ボランティアとしての教師の積極性に注目して
Project/Area Number |
21800022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
中澤 篤史 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 講師 (70547520)
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Keywords | 運動部活動 / 顧問教師 / ボランティア / 歴史 / 実態 / 政策 / 言説 |
Research Abstract |
日本のスポーツ文化を支えてきた運動部活動は、地域社会ではなく学校の中で運営される点、プロのスポーツ専門家ではなくボランティアの一般教師が指導する点で、国際的にきわめて珍しいスポーツのあり方である。では、この運動部活動は、いかなる構造の中で存立している/してきたのか。本研究では、日本固有のスポーツのあり方である運動部活動の存立構造を明らかにするために、ボランティアとしての教師の積極性に注目した。本研究の目的は、なぜ教師が運動部活動へ積極的にかかわるのかを、質的・歴史的アプローチから明らかにすることである。 平成21年度は、歴史的アプローチからの研究として、運動部活動への教師のかかわり方の変遷を通史的に考察した。考察の観点は、(1)実態:どれくらいの教師がどのように運動部活動へかかわってきたのか、(2)政策:教師をとりまく政策的背景はどのように変わってきたのか、(3)言説:教師の運動部活動へのかかわりは、どのように意味づけられてきたのか、の3つである。こうした運動部活動への教師のかかわりに関する通史的考察は、先行研究では十分に行われていない。これまでの体育・スポーツ史領域では、1970年代以降の現代史が十分に総括されておらず、また考察の観点に実態や言説が盛り込まれていない。それらを補い、現代にまで連なる戦後史を描こうとする点に、平成21年度に取り組んだ研究の意義と重要性がある。 研究成果は、中澤篤史(2009)「身体活動を伴う社会交流:戦後の中学・高校運動部活動の政策的展開に焦点を当てて」『体育の科学』59(11)、pp.728-733、および、中澤篤史(2010)「運動部活動の戦後史:実態・政策・言説の変遷と関係に注目して」、日本スポーツ社会学会発表、岩手大学、にまとめた。
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Research Products
(2 results)