2010 Fiscal Year Annual Research Report
議題遷移の可視化と修辞構造理論に基づく公的討議の意見構造化支援システムの開発
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21800024
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
白松 俊 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80548595)
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Keywords | 自然言語処理 / 議論支援 / コーパス / 修辞構造 / 合意形成 / 住民参画 / 逐語議事録 / 懸案事項共有化 |
Research Abstract |
22年度は,公的討議の意見構造化支援のために重要な下記3研究項目を実施した. (a)コーパス拡張/編集システムの開発:前年度に作成した議論コーパスを更に拡張するため,Wikipediaの編集に関する議論ページをRDF(Resource Description Framework)形式に変換し,Web上での編集を容易にするシステムを開発した.これは,公的討議の意見をLOD(Linked Open Data)形式で公開する住民参画Webプラットフォームのための基盤となるシステムである. (b)合意形成を導く修辞関係の解明:上記システムを用い,前年度に作成したWikipedia編集に関する議論コーパスを更に拡張した.これにより,506発言者による1,764発言を含む議論コーパスを得た.さらにこのコーパスを用い,同意に至る確率が有意に高い構造と有意に低い構造を比較した.その結果、妥当性が高いと認められる議論構造(根拠が述べられている発言)はそうでない議論構造に比べて同意される確率が高いことが確認できた.この結果は,同意確率を用いてコーパス中の妥当な議論構造とそうでない議論構造のペアを発見することにより,合意形成を支援できる可能性を示唆している. (c)専門家による分析例を一般化した意見構造化手法の開発:名古屋市の相生山検証委員会における建設事業の分析事例を一般化し,公的懸案事項のオントロジーを試作した.懸案事項ごとに評価軸と賛成根拠,否定根拠を記述できるように設計した.これにより,意思決定者のコンテキストに応じた意見探索を容易にできると期待される.さらに,同オントロジーを用いて会議資料を用いたアンケート質問に基づく議論支援システムを試作した.
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Research Products
(17 results)