2009 Fiscal Year Annual Research Report
スケーラブルな自己組織型オーバーレイネットワークに関する研究
Project/Area Number |
21800027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 佑揮 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (50552072)
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Keywords | オーバーレイネットワーク / 自己組織制御 / 経路制御 / スケーラビリティ / ポテンシャル経路制御 |
Research Abstract |
平成21年度は、オーバーレイネットワークにおけるCo-Field(Computational Field)を用いた経路制御方法の初期検討と、オーバーレイネットワークのトポロジ変化がCo-Fieldを用いた経路制御に与える影響の調査を行った。Co-Fieldは、物理学や化学、生物学におけるポテンシャルの概念に着想を得た制御方式である。今年度は、オーバーレイネットワークにおけるCo-Fieldを用いた経路制御方法の初期評価を行い、その自己組織的な振る舞いを活用することで、1ホップ先の隣接ノート間でのみ制御情報を交換するだけで、適切に経路制御を実現できることがわかった。これにより、Co-Fieldを用いることで、本研究の大きな目的であるスケーラビリティ向上の実現が期待できることを示した。しかし、現在一般的に利用されている経路制御方式と比較すると、性能が非常に低いことがわかっており、今後、本手法の実用性を高める上での課題の1つである。次に、オーバーレイネットワークのトポロジ変化がCo-Fieldの形成およびその性能に与える影響を調査した。トポロジに変化がある場合は、形成されたCo-Fieldと、現在のネットワークの状況の間に誤差が生じるため、トラヒックが最適ではない経路で配送されるため、性能が劣化する。特に、トポロジの変化が一定で規則性がある場合は、Co-Fieldが適切に形成されずに、経路制御の性能が大きく劣化することを明らかにした。一方で、Co-Fieldの形成は、ランダムなトポロジ変化には影響を受けにくく、その性能劣化の度合は小さいこともわかった。現時点までに、課題申請時に予想される問題と対策として挙げたゆらぎを導入することで、誤って形成されたCo-Fieldによる性能劣化の影響を軽減できることを示す評価結果を得ている。
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