2010 Fiscal Year Annual Research Report
直感的な操作が可能な分散アルゴリズム学習支援シミュレータの実現
Project/Area Number |
21800036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長瀧 寛之 岡山大学, 教育開発センター, 助教 (20351877)
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Keywords | 学習支援システム / アルゴリズム教育 / 分散アルゴリズム / 情報科学教育 |
Research Abstract |
本研究は,分散アルゴリズムの学習支援環境として,直感的な操作を伴った体験的な学習を指向した分散アルゴリズムシミュレータの構築とその評価を目的としたものである.2年目となる平成22年度は主に,構築した試作システムの評価,およびその成果の対外発表を行った. 平成22年6月には,前年度に論文が採録済であった国際会議(ICETC 2010)において発表を行い,主に試作システムの設計コンセプトについて参加者と意見交換を行った.また平成22年7月の国内発表(情報処理学会コンピュータと教育研究会)においては,主に本システムを用いた学習手法と評価実験を中心とした発表を行い,教育支援システムや情報教育関係の研究者から,学習効果的視点での本手法に関する意見交換を行った.2件の対外発表と意見交換の結果,本手法は分散アルゴリズムの特徴,特に局所性を体験的に理解するのに有用であるという評価を得た.一方で,現状の設計では可能なシミュレーションが限定的なため,より多様なシミュレーション形態を可能とすること,そのためのシステムの改良が必要であるという知見も得られた. そこで平成22年9月以降は,システムにおいてプロセス動作に相当する端末を,従来のもの(SunSPOT)からより高性能な表現ができるもの(iPod Touch)へ変更し,多様なシミュレーションを実現するためのプラットフォーム作り,および学習の振り帰りを容易にするための端末プログラムの改良を行った.端末変更に伴い開発に時間がかかったことから,改良後のシステムについて平成22年度内の論文発表には至らなかったが,次年度中に論文として成果をまとめる予定である.
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