2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳波信号中の眼電位除去による衝動性眼球運動関連脳波の特定に関する研究
Project/Area Number |
21800044
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
板井 陽俊 愛知県立大学, 情報科学部, 客員共同研究員 (10551971)
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Keywords | 衝動性眼球運動 / 眼電位 / 脳脈 / 外積展開 |
Research Abstract |
本研究の目的は,サッケード時の脳波信号から眼電位の影響を除去し,サッケード関連脳波を抽出する信号分離技術の開発とその評価,脳波信号の解析,ハードウェアによる実装である。期間延長を申請した平成23年度の計画は,平成22年度の研究実施計画である1.衝動性眼球運動時の脳波信号に含まれる不要信号除去アルゴリズムの改善,2.サッケード関連脳波の特定,3.ハードウェアの実装に関する研究成果を報告することである。したがって,研究成果は平成22年度のものとなる 平成21年度には,自発脳波の強度比を参照信号とした教師信号つきTPE-AE(Tensor Product Expansion with Absolute Error)を提案し,従来のTPE-AEでは困難であった自発脳波と眼電位成分の分離を実現した。しかし,教師信号つきTPE-AEは乱数探査の影響によりリアルタイム処理に適さない。そこで,高速な自発脳波,眼電位の推定法として非線形フィルタによる教師信号つきTPE-AEを提案した。疑似信号による評価の結果,メジアンによる解法は乱数による解法に比べ高速かつ,解のばらつきが小さいことが示された。さらに,サッケード時の脳波信号に対して適用した結果,眼電位成分および自発脳波成分が脳波信号より除去されることが明らかとなった。一方でサッケード関連脳波に関する新しい知見は得られず,提案手法による既知の特徴を抽出するにとどまった。以上の成果は,国際会議に一件,シンポジウムにおいて一件報告した。
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