2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋分泌タンパク質のエネルギー代謝に関する効果の検討
Project/Area Number |
21800045
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
谷村 祐子 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90551458)
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Keywords | エネルギー代謝 / 運動 / FGF21 |
Research Abstract |
Fibroblast growth factor21(FGF21)はメタボリックレギュレータとして,糖・脂質代謝を改善させる.FGF21は肝臓・脂肪・骨格筋で産生・分泌され,脂肪細胞や骨格筋での糖取り込みの促進や脂肪細胞の分解に働く.骨格筋由来のFGF21はPI3/Aktシグナル活性化による発現の増加が報告されている.PI3/Aktシグナルは筋収縮によって活性化されるため,運動によるFGF21の発現増加が考えられる.本研究は,骨格筋由来のFGF21が運動によって調節されるかを検討することにより,生活習慣病予防に対する運動効果のメカニズムを解明することを目的とする.本研究にて,8週齢のマウスに高強度の一過性運動を実施し,安静飼育した同週齢のマウスを対照群とした.運動によって血糖は減少傾向(p=0.05)であり,ケトン体は有意に増加した.よって運動における糖取り込み及び,脂肪分解が生じたと考えられる.さらに,運動による血清FGF21の増加を確認した.また,骨格筋におけるFGF21のmRNAの発現は運動によって増加傾向であったものの,protein発現では有意な増加が認められた.また,骨格筋におけるAktのprotein発現は有意に増加していたことから,運動による筋収縮よってAktが増加し,骨格筋からFGF21が分泌されたと考えられる.以上より,運動による糖取り込みの促進及び脂肪分解のメカニズムに,骨格筋分泌タンパク質であるFGF21の増加が関与している可能性が考えられた.
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