2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21800051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
宮崎 美智子 Tamagawa University, 脳科学研究所, グローバルCOE研究員 (90526732)
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Keywords | 自己身体表象 / 発達 / 認知科学 |
Research Abstract |
自己の身体イメージ(自己身体表象)を生成する能力は、他者理解や模倣による学習などを可能にする重要な認知能力である。本研究では、自己身体表象を乳幼児がどのように発達させていくのかという問題について、発達科学・認知神経科学の両側面からアプローチする。 平成21年度は知らないうちに貼りつけられたマークを自己像のみを参照に取り除く課題(マークテスト)時に観察される前後軸方向の探索エラーが自己身体表象能力の未熟性を反映するエラーであるかどうかという問題にこたえるため、探索エラーの発達的変化・認知的背景を明らかにする心理実験を実施してきた。まず、幼児を対象とした検討では、2歳~3歳の幼児についてマークテストにおける探索エラーの出現割合を明確にした。(1) 前後軸の探索エラーは2歳をピークに3割程度の幼児に観察され、3歳でほぼ消失すること、(2) 体性感覚性の身体表象は身体部位によって認識の解像度が異なること、(3) 他者の身体部位を参照させる探索では、エラーの出現割合が低くなることが分かった。これらのことから、自己像と実際の自己身体部位間のマッピングにおいて、発達的に何らかの方略変化が認められる可能性が示唆された。身体部位のマッピングがどのような方略の変化に基づくのかを明らかにするため、成人を対象として身体マッピングを必要とする判断課題を考案し、タイムプレッシャーを与えた状況下で予備的検討を行った。その結果、複数のマッチング方略が存在することが分かってきた。
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Research Products
(1 results)