2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的治療薬の早期効果予測を目的とした超音波分子標的イメージング法の開発
Project/Area Number |
21800055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
杉本 勝俊 Tokyo Medical University, 医学部, 助教 (20385032)
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Keywords | ソラフェニブ / 造影超音波 / ソナゾイド / 肝細胞癌 / 分子標的イメージング |
Research Abstract |
進行肝細胞癌患者にソラフェニブを投与後,腫瘍部と健常部の血流変化をソナゾイド造影超音波(CEUS)で経時的に観察を行い,早期治療効果予測の可能性について検討した. 2009年6月から2010年3月までに,進行肝細胞癌に対しソラフェニブを投与し,かつCEUSにて経時的(Day0, Day7, Day14, Day28)に腫瘍モニターが可能であった13症例14結節を対象とした.モニター結節に対し,CEUSにて3分間のdynamic imagingを撮像した.解析は東芝社製CHI-Qを使用し,off-lineで腫瘍部と健常部にそれぞれ関心領域(ROI)を設定しtime intensity curve(TIC)による解析を行った.また,治療開始1ヵ月後にCTないしMRIを撮像し,2名の放射線科医がRECISTにしたがって奏功レベルを評価した.TICからpeak intensity(PI)を測定し,PIの経時的変化と奏功レベルに関し症例間で比較した. 治療1ヵ月後のRECISTによる評価では,9(69.2%)症例がstable disease(SD),4(30.8%)症例がprogressive disease(PD)であった.有害事象はCTCAE grade3以上に相当する症例が3例(23.1%)(脳症,静脈瘤破裂,多形紅斑)に認められた.治療1ヵ月後にSDと判定された群の腫瘍部のPI ratio (Day 7/Day 0)(0.67±0.54)は,PDと判定された群(1.33±0.35)と比べ有意に低下していた(p=0.047).CTCAE grade3以上の有害事象が認められた群はそれ以外の群と比べ,健常部のpeak intensity ratioは低下する傾向があった. CEUSで血流を詳細に評価することにより,肝細胞癌に対するソラフェニブの早期効果予測や重篤な有害事象の早期予測ができる可能性が示唆された.
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Research Products
(2 results)