2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的治療薬の早期効果予測を目的とした超音波分子標的イメージング法の開発
Project/Area Number |
21800055
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
杉本 勝俊 東京医科大学, 医学部, 助教 (20385032)
|
Keywords | 造影超音波 / 分子標的がん治療薬 / 肝細胞癌 / 治療効果判定 / 分子標的バブル / ソナゾイド |
Research Abstract |
近年,多くの分子標的がん治療薬が臨床応用されている.肝臓がんの治療薬としてネクサバールが保険収載され臨床で使用初めている.しかし,ネクサバールには重篤な副作用が多く報告されており,またその高額な薬価を考慮すると,早期の治療効果予測を目的とした,がんバイオマーカの開発が急務である.そこで我々は,ソラフェニブを投与した進行肝がん患者に対し経時的にソナゾイドを用いた造影超音波検査を行い,奏功例と非奏功例間における画像所見の特徴について検討した.得られた知見は下記のとおりである.1. 治療奏功群は,治療開始1週ないし2週後の腫瘍部における輝度は,非奏功群と比べ有意に低下していた.2. 重篤な有害事象を認めた群は,治療開始2週後の非腫瘍部における輝度は,重篤な有害事象を認めない群と比べ有意に低下していた.以上の所見より,造影超音波により肝がん分子標的治療薬の早期予後予測および有害事象の予測が行える可能性が示唆された.なお,担がんモデルマウスに対し,分子標的バブルと通常のバブルの両者を用い,治療群と非治療群間の造影超音波所見に特徴があるかを検討したが,両バブル間に有意な差は認められなかった.今後,更なる分子標的バブルの開発および造影モードの最適化が必要と考えられた.
|
Research Products
(3 results)