2009 Fiscal Year Annual Research Report
大脳と小脳を中継する橋核における神経信号処理のメカニズム
Project/Area Number |
21800056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
石川 太郎 Jikei University School of Medicine, 医学部, 講師 (50547916)
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Keywords | 神経科学 / 生理学 / 薬理学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
大脳皮質と小脳は相互に連絡し合っており、この連絡の仕組みを知ることは脳全体の機能を理解する上で極めて重要である。脳幹の橋核は大脳皮質からの出力信号を受け取り、これを小脳へ中継している。橋核は大脳からの信号を小脳での信号利用に適した形に変換する役割を担っていると推察されている。本研究は橋核における信号変換の規則を明らかにし、その基盤となる神経細胞および神経ネットワークの仕組みを理解することを目的とする。 電気生理学的実験において、in vivo実験系(麻酔下動物)とin vitro実験系(脳スライス)は相互補完的な関係にある。本研究課題では、これら2つの実験系を組み合わせて、効率的かつ多角的に研究を行う。平成21年度においては、下記の2項目を遂行した。 1.In vitro系における予備実験 まずin vitro実験系(スライス標本)において、顕微鏡観察下に同定された橋核ニューロンの特性を調べた。橋核の主細胞(興奮性の投射ニューロン)からパッチクランプ記録を行い、その膜電位応答特性、自発発火頻度、最大発火頻度、等を計測した。さらに、電位固定下に自発性および電気刺激誘発性の興奮性シナプス電流の大きさを計測し、その促通や抑圧の特性を記録した。これらの情報は後述のブラインドパッチクランプ法を用いたin vivo実験を行うための重要な基礎データとなった。 2.In vivo実験系の確立 脳幹部に腹側からアプローチして橋核にパッチクランプ法を適用する技術を採用し、麻酔下の動物において橋核からパッチクランプ記録を行うことを可能にした。
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