2009 Fiscal Year Annual Research Report
視覚物体認識におけるクラスの創発,分割統合,階層化
Project/Area Number |
21800057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
日高 章理 Tokyo Denki University, 理工学部, 助教 (70553519)
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Keywords | パターン認識 / 機械学習 / 画像認識 / 人工知能 / 知能機械 |
Research Abstract |
既存の多くのパターン認識研究では、入力データをあらかじめ定められた「クラス」のいずれかに分類することが目的とされ、認識器は未知のクラスに適応する能力や、既知のクラスの分割統合などを行う能力を持たなかった。本研究ではパターン認識を用いた視覚的物体認識問題において、認識対象となるクラスを適応的に創発、分割統合、階層化する能力を得るため、(1)初期クラスの定義、(2)動画像からの学習用画像データの自動取得、(3)特徴抽出写像と識別関数のパラメータの最適化、(4)クラスの分割・統合・階層化、という四つの過程を組み合わせた画像認識手法の開発を目指している。本年度は実験設備の準備、および(2)と(4)の過程についての調査および研究を行った。まず、多量の動画データに対して多くのパラメータを含む認識器の最適化計算を行うため、研究室に並列計算用ワークステーションを設置し、効率的に学習および認識の実験を行う環境を整えた。(2)については、まずビデオカメラによる動画撮影を行い、学習用および性能評価用データの準備を進めた。また、文献調査によって、動画像中から有意な時空間構造を抽出し得ると期待される手法を得て、実装評価の準備を進めた。これにより、今後は認識器を学習する際に適した動画像中の部分系列を得る手法を模索する。(4)については、獲得済み(あるいは所与)の有意なクラスタ構造に所属する学習データと、それに関連すると目される未知データ群に対して、自己組織化写像によって両データから相似な特徴分布を獲得する手法の検討と開発準備を行った。これは一種の半教師付学習であり、今後はこれを完成させて未知クラスの創発や既知クラスの分割・統廃合を自動的に行う手法の実現を模索する。
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