2010 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロイドロボットを用いた臨場感溢れる遠隔授業システムの開発と実践
Project/Area Number |
21800058
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
橋本 卓弥 東京理科大学, 工学部・第一部, 嘱託助教 (60548163)
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Keywords | アンドロイドロボット / 遠隔授業 / 教育システム / 教育ロボット |
Research Abstract |
本研究では,姿形が人間に酷似したアンドロイドロボット(以下,アンドロイド)を先生役に用いた遠隔授業支援システムを開発し,実際の小学校にて実証実験を行うことを目的とする.アンドロイドを遠隔授業のインタフェースに用いることにより,先生が本当にいるかのような臨場感を演出することができ,ひいては実際に先生が行っているような緊張感のある授業が実現できると期待できる. 本研究の具体的な内容は,(1)アンドロイドの遠隔操作システムと操作インタフェースの開発,(2)アンケートやビデオを用いた生徒の発話や行動の分析によるアンドロイドの生徒に対する影響(コミュニケーション能力や統制力)の検証,(3)従来メディア(スピーカ,テレビ会議システム)との比較によるアンドロイドを用いることの効果や利点・欠点などの検証,の3項目である. 本年度では,主に項目(3)について取り扱った.つまり,遠隔授業システムのインタフェースとして既存のメディア(スピーカのみやテレビ会議システム)を用いた場合とアンドロイドを用いた場合について,小学校における実証実験を通して比較を行った.その結果,実験中に実施したアンケートによる評価では有意な差が確認できなかったが,自由記述の結果からはアンドロイドを用いた遠隔授業システムの有効性が確認された.また,小学校で実際に行われている理科の授業に即して授業を行ったところ,生徒の科学や理科への興味・関心が向上するということが,授業前後に実施したアンケートの結果から確認された.これらの結果から,本システムは教育現場(特に小学校)において有効な教育システム(教育ツール)になり得ることが確認された.
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