2010 Fiscal Year Annual Research Report
クラウドコンピューティングを構成する分散協調ストレージ技術の研究
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21800063
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
土屋 健 諏訪東京理科大学, 経営情報学部, 助教 (90546251)
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Keywords | クラウドコンピューティング / 分散ストレージ / スケールアウト |
Research Abstract |
本研究ではクラウドコンピューティングにおける根幹をなす技術として,広域に広がるインターネット上において分散するノード間で分散協調によるストレージ技術の研究開発をおこなった.これまで,大規模な分散ストレージサービスについてはDistributed Hash Table(以降、DHT)技術を利用することで,ネットワーク内における分散ノードのスケーラビリティを実現しているが、本研究の提案モデルでは実サービスとして運用可能なモデルと分散アルゴリズムを提案し,次世代のサーバインフラとして利用が想定されるクラウドコンピューティング環境を前提とした分散プラットフォームの機能を組み込んでいる.これにより,分散システムとしてはサービスの状態,ネットワーク負荷,などに柔軟性に対応する.これら技術はサーバへ要求されるスケールアウト技術としての転用も期待することができる. 本研究ではストレージで管理されるオブジェクトの分散管理手法として,分散区分木アルゴリズムを提案している.さらに,この分散アルゴリズムにおける特定のノードへの負荷、ノード消失などの障害への対応といったクラウドコンピューティング環境で想定される実現性を評価するため,提案手法をソフトウェアで実装し,シミュレーションにより異常時でもサービスを問題なく継続し提供できることを示している.また,ヘテロジニアスなネットワーク環境に対応するためにノードを処理能力などに応じて自律的に分類する手法を提案し,これにより安定したオーバレイネットワークを低い通信コストで実現できることを明らかにしている.特に,システムのロバストネス、導入・管理コストの面で優位な点が大きいと言え、今後ますます大規模化・高容量化が想定される次世代のクラウドサービスにおける基幹技術として期待できる。
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Research Products
(5 results)