2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21800071
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
縣 信秀 浜松大学, 保健医療学部, 助教 (00549313)
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Keywords | リハビリテーション / 動物 / 細胞・組織 / 再生医学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究の目的は、電気刺激装置と他動的足関節背屈装置を用いて遠心性収縮による筋損傷モデルラットを作製し,定量的に制御した伸張刺激が筋損傷からの回復を促進させるかどうかを,組織学的・生理学的面から明らかにすることである。平成22年度は、再現性のある筋損傷モデルラットを作製するための遠心性収縮条件を決定し、損傷筋の経時的な変化を組織学的、生理学的側面から評価した。 再現性のある筋損傷モデルラットを作製するための遠心性収縮条件の決定:ラット前脛骨筋に対して50、100、200、400deg/secの角速度で遠心性収縮を行った。遠心性収縮24時間後にエバンスブルーを投与し、遠心性収縮48時間後に前脛骨筋を採取し筋損傷量を評価した。遠心性収縮前と遠心性収縮48時間後に足関節背屈筋群の等尺性収縮時の足関節トルクを測定した。その結果、200deg/secで遠心性収縮を行い、遠心性収縮48時間後の足関節トルクが10mN・m以下となる個体を採用すると、筋損傷量の再現性が高い筋損傷モデルが作製できることがわかった。 損傷筋の組織学的、生理学的評価による経時的変化:ラット前脛骨筋に対して、200deg/secの角速度で遠心性収縮を行い、遠心性収縮2、3、5、7、14日後に足関節トルクの測定後に、前脛骨筋を採取した。凍結横断切片を作製し、developmental myosin heavy chain(D-MHC)とdystrophin(dys)染色を施し、D-MHC陽性線維とdys陽性筋線維の横断面積と数を測定した。その結果、筋損傷後の回復過程について,Dystrophin陽性筋線維横断面積の平均値は経時的に大きくなることが分かった.そして、損傷からの日数経過に伴う小径筋線維の発現とその筋線維の成長,D-MHC陽性筋線維数の割合の増減、足関節背屈トルクの増加が互いに関連していく様子が検出できた。 筋損傷に対する様々な理学療法効果の判定を行うためには、筋損傷モデル作製と筋損傷量や回復過程における定量的評価方法の確立が不可欠である。本研究結果から、再現性のある筋損傷モデルを作製することができ、遠心性収縮による筋損傷の回復過程における定量的評価が可能となった。
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Research Products
(3 results)