2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21800093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
河内 晋平 Tokyo National Museum, 学芸研究部・列品管理課登録室, アソシエイトフェロー (00554982)
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Keywords | ユーザーインターフェース / デジタル・アーカイブ / 職人 / 復元技術 / 文化財 |
Research Abstract |
本研究では、高精細デジタル測定データと復元作業に精通した職人の知識を融合させて安全性が高く、従来にはない直感的に操作できる閲覧デバイス、インターフェースを開発し、作業効率を失わずに高度な復元作業が行える手法について開拓するものである。21年度では、実際の文化財閲覧状況や復元作業についての調査資料から、文化財閲覧の際に重要になってくる要素について検討を行った。申請者はこれまでに復元職人とともに、その職人が復元していく作業過程や実際に復元が完了した文化財と本物の文化財を並べて比較する所までのインタビューと調査を行っていた。それらの調査データ(計:約21時間)を整理し、分析するための映像素材として編集を行った。調査は研究代表者の河内晋平が行い、その際の記録としてデジタルカメラによる静止画の記録、デジタルビデオカメラによる動画記録を行った。また、東京国立博物館における特別観覧での熟覧状況の調査では熟覧者がどのような道具を使用するのかについて調査を行った。また、一般観覧者が文化財め展示品をどのように鑑賞しているかについても可能な限り観覧状況の観察を行った。 その結果、これらの場合には2つの要素があることが発見できた。それを本研究では「見えの状態」と「データの状態」と呼ぶことにした。 「見えの状態」というのは立体物、閲覧物として全体を見るということである。 「データの状熊」とは計測道具等を使用し、研究や複製のための寸法やより詳細なデータを採取することである。 これら2つの大きな閲覧要素をデバイス開発における基本考察要素にして、調査データをもとにデバイス開発技術者と復元職人と協力し閲覧デバイス(名称:デジタル職人机)についてアイデアの検討を行い、試作品を制作した。現在、最終的な復元制作における閲覧デバイス、インターフェース開発を進めている。
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