2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21810006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋坂 昌幸 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (80550649)
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Keywords | 半導体2次元電子系 / 量子ホール効果 / エッジマグネトプラズモシ / マイクロ波 / ショット雑音 / 量子干渉 / 極低温 / メゾスコピック系 |
Research Abstract |
本研究は、半導体量子構造内における電子のコヒーレント伝導を高速エレクトロニクスによって精密に制御し、電子の高速ダイナミクスに関する新しい量子輸送現象研究を展開することを目的としている。特に、本研究では量子ホール端状態における電子波束(エッジマグネトプラズモン:EMP)をFabry-Perot干渉計(FP干渉計)に閉じ込め、その共鳴現象の観測を通して研究を推進することを目指している。この目的を達成するため、当該年度では当初の計画に則り、(1)極低温における高周波測定環境の整備、及び(2)電子版FP干渉計の作製に取り組んだ。 (1)極低温における高周波測定環境の整備:300mKまで冷却可能な3Heクライオスタットの立ち上げに取り組み、極低温環境におけるDC~20GHz程度の帯域での高周波測定環境を実現した。また極低温環境における雑音測定の実現に先立ち、室温環境での雑音測定系を行い、測定系の準備を推進した。 (2)電子版FP干渉計の作製:電子版FP干渉計の作製に向けて、量子ホール端状態へのマイクロ波印加実験を行った。これにより、(1)EMPと電磁波との干渉の観測(2)干渉条件の静電的制御(3)量子ポイントコンタクトのEMPに対するビームスプリッタとしての動作の確認等の成果を得た。これらの成果は電子版FP干渉計における量子干渉の精密制御を行う上で重要な基礎となるものであり、高速エレクトロニクスによる量子ホール端状態の物性探索を推進する上で必要不可欠な知見をもたらすものである。なお、この成果に関して、物理学グローバルCOE「ナノサイエンスを拓く量子物理学拠点」公開シンポジウム、及び日本物理学会第65回年次大会にて成果発表を行った。
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Research Products
(3 results)