2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21810011
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
植木 保昭 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教 (90552654)
|
Keywords | 鉄鋼製錬プロセス / 還元材 / 炭素系廃棄物 / 都市ゴミ / 木質バイオマス / 酸化鉄 / 還元反応 |
Research Abstract |
現在、排出されている都市ゴミや木質バイオマスなどの炭素を含む廃棄物(炭素系廃棄物)の多くが焼却処分され、多量のCO_2を排出し、地球温暖化に加担しているのが現状である。この炭素系廃棄物を鉄鋼製錬プロセスにおいて還元材である石炭の代替原料として有効利用することができれば、石炭使用量を削減して日本国内のCO_2排出量を大幅に削減することが可能である。そこで本研究では、炭素系廃棄物の鉄鋼製錬プロセスへの有効利用の可能性を見出すために、各種廃棄物の炭化物を還元材として利用した場合の炭素系廃棄物の酸化鉄の還元反応特性を明らかにすることを目的とした。 都市ゴミおよび木質バイオマスを不活性雰囲気において熱分解させた炭化物を還元材として用いた。各種炭化物と酸化鉄(Fe_2O_3試薬)を炭素と酸素のモル数が同じになるように混合し、混合試料を作製した。また比較のために、グラファイトを使用した混合試料も作製した。差動型示差熱天秤を用いて、窒素ガス雰囲気下、昇温過程での各種炭化物を還元材として使用した混合試料の反応挙動を調査した。その結果、グラファイトを使用した混合試料では反応が途中で停滞したが、各種炭化物を用いた混合試料では反応が停滞することなく反応が進行した。これは各種炭化物がグラファイトよりもガス化反応性が非常に良いため、還元反応が停滞することなく進行したものと考える。また、いずれの炭化物を用いた混合試料において反応速度はほぼ同程度であった。
|