2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21810022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中沢 由華 Nagasaki University, 医歯(薬)学総合研究科, COE研究員 (00533902)
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Keywords | ヌクレオチド除去修復 / 紫外線 / DNA修復 / エチニルデオキシウリジン / In Cell Analyzer / エチニルウリジン |
Research Abstract |
本研究は、紫外線誘発DNA損傷を修復するヌクレオチド除去修復(NER)機構に関与する新たな因子を同定し、その機能を明らかにする事を目的としている。そのために、より簡便で、多数のサンプルを同時に比較検討できるDNA修復合成活性(UDS)測定法を確立する必要があった。そこで、チミジン誘導体であるエチニルデオキシウリジン(EdU)を、紫外線DNA損傷後に細胞に取り込ませ、アルキル-アザイドカップリング反応により蛍光色素を直接塩基に導入し、その蛍光強度によってUDSを評価するという手法を、96ウェルプレートとIn Cell Analyzerに応用し、自動的にUDSを計測できるよう条件設定とシステム開発を行った。その結果、わずか1日で約300サンプルの測定及び解析が可能となった。現在一般的に用いられている放射性同位体の取り込みを指標とするUDS法は、測定に数週間を要するのに対して、我々の開発した新規UDS測定法は比べ物にならないほど短時間で結果が得られるうえ、その検出感度及び定量性は現行の方法に引けを取らない事も証明された。さらに、エチニルウリジン(EU)を細胞に取り込ませることで、紫外線損傷によって阻害されたRNA合成のリカバリー(RRS)を観察する事にも成功した。これら新規UDS及びRRS測定法を併用することで、NERに欠損おるいは異常のある色素性乾皮症やコケイン症候群患者の診断を、ごく短時間で正確に行う事が可能となった。また、NERへの関与が確認されているタンパク質のsiRNA処理によるUDSとRRSの変化量を、新規UDS及びRRS測定法を用いて調べたところ、十分に検出可能である事が確認された。以上の事から、新規NER因子のスクリーニングに適したUDS/RRS測定法が確立されたと考えられる。
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Research Products
(3 results)