2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンツーリズムがもたらす農村女性の役割、地位変遷に関する研究
Project/Area Number |
21810023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Akita International University |
Principal Investigator |
千葉 加恵子 Akita International University, 国際教養学部, 講師 (70533016)
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Keywords | ジェンダー / 村落社会 / グリーンツーリズム |
Research Abstract |
本研究の目的はグリーンツーリズム(GT)活動が、どのように現代農村地域の女性たちの役割、地位に影響しているかを実証的に明らかにすることである。具体的には、地域、家庭での伝統的な女性の役割、地位がGT活動にかかわることによりどのように変化しているか分析している。文献調査より以下のようなことがとしてあげられた。1)秋田市外、農村のほうでは市部よりも男女の役割がさらに顕著である。2)農村女性はグリーンツーリズムと関わることにより外活躍する機会を持ち、自分でお金を稼ぎ男は外、女は家庭内という役割が変わってきた。3)農村女性がGT活動に従事することにより、生きがいを感じ、彼女らに自信をもたらし、最終的には彼女らの地位を向上させている。 この仮説をもとに参与観察、インタビューを実施し、この課題を分析してきた。平成22年3月時点で以下のことが明らかにされだ。1)農村のほうでは都市部のほうよりも男女の役割がさらに顕著であり(男は外、女は家庭内という役割)、就労(農村での無報酬労働)、家庭、教育面で男女格差がある。2)他県よりGT活動への規則が緩和であることから、秋田県は他県よりもGT活動がさかんである。3)農村女性はGT活動と関わることによりで活躍る機会を持ち、経済力を持ち、彼女らの役割、地位が徐々に変わってきている。また、女性のGT活動などの活躍ぶりに抵抗を感じていかる地域住民が多ったということがイシタビューなどで明らかにされたが、次第にこれらの女性の活動に対する地域住民の認識も変化している。 これまで実施してきたインタビューにより秋田県中央、県南、県北では地理的条件などから、地域色が違い、GT活動もそれぞれの特色があるとのことが示唆された。来年度は地域によってどのように農村地域の女性たちの役割、地位に影響しているかを実証的に比較したい。
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