2010 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンツーリズムがもたらす農村女性の役割、地位変遷に関する研究
Project/Area Number |
21810023
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Research Institution | Akita International University |
Principal Investigator |
千葉 加恵子 国際教養大学, 国際教養学部, 講師 (70533016)
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Keywords | ジェンダー / 村落社会 / グリーンツーリズム |
Research Abstract |
本研究の目的は、グリーンツーリズム(GT)活動がどのように現代農村地域の女性たちの役割・地位に影響しているかを、実証的に明らかにすることであった。具体的には、地域・家庭での伝統的な女性の役割・地位が、GT活動にかかわることによりどのように変化しているか分析した。文献調査より、以下の仮説を打ち立てた。1)秋田市外・農村のほうでは都市部よりも男女格差がさらに顕著である。2)農村女性はGT活動と関わることにより、外で活躍する機会を持ち、自分でお金を稼ぎ、『男は外、女は家庭内』という役割が変わってきた。3)農村女性がGT活動に従事することにより、生きがいを感じ、自信をもち、最終的には彼女らの地位を向上させている。 この仮説をもとに参与観察・インタビューを実施しこの課題を分析した結果、以下のことが明らかにされた。1)農村部、都市部間での男女格差のレベルの違いは顕著に見られず、むしろ農村部では世代別での男女格差の認識の違いが明らかになった。具体的には、農業の機械化、また現代農業の経営難状況の影響により、70歳未満の農村女性は70歳以上の農村女性よりも男女平等になりつつあると認識している。2)しかしながら、地域・家庭内で未だに男女格差があるのは事実であり、農村女性はGT活動に関わることにより(例公共の場に出る、自分の意見を発表する、個性を主張する機会が多くなる、自分で自由に使えるお金を稼ぐことができる)彼女らの役割・地位が徐々に向上していると認識していることが明らかにされた。3)女性のGT活動などの活躍ぶりに抵抗を感じている地域住民が多かったということがインタビューなどで明らかにされたが、これらの助成の活動に対する地域住民の認識も徐々に変化していることも判明された。
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Research Products
(2 results)