2010 Fiscal Year Annual Research Report
英領西アフリカ現地新聞の分析を通した、第二次世界大戦期の日本アフリカ交渉史研究
Project/Area Number |
21810028
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
溝辺 泰雄 明治大学, 国際日本学部, 講師 (80401446)
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Keywords | 第二次世界大戦 / イギリス領西アフリカ / ガーナ / メディア(新聞)とプロパガンダ / 日本-アフリカ交渉史 |
Research Abstract |
研究最終年度にあたる平成22年度の研究活動は、研究論考の作成及び海外研究者との研究上の情報交換に加え、2度(前半[8~9月]及び後半[3月])に渡って現地での文献調査を実施し、関連史資料の収集をおこなった。 前半の調査はケニアとガーナにて実施した。まずケニア国立公文書館において、第二次世界大戦期初期の現地発行新聞(The East African Standard)戦争報道記事を収集した。これにより、開戦期にあたる1939年後半の記事を集中的に確認・収集し、白人入植者の大戦観及び開戦を受けての植民地政策の転換提言など、現地アフリカ人と本国政府との間で植民地統治の重要なアクターとなった白人入植者の戦争報道に関する重要な情報を得ることができた。さらに、ガーナ国立公文書館(PRAAD)アクラ本館では、同館が所蔵する第二次大戦期の英領ゴールドコースト政府関連文書の中から、日本に関する史料を一つずつ洗い出す作業を進めた。その結果、対日戦に関する優勢を報じるラジオニュース原稿などに加え、同大戦期にゴールドコースト政府に捕虜として収容された3名の「日本人」に関する公文書の存在を確認することができた。 ガーナで実施した後半の調査では、PRAADアクラ本館において、第二次大戦期の植民地情報局関係資料の所在確認と収集を行い、対日戦に関する優勢を報じるラジオニュース原稿や、同大戦期にゴールドコースト政府の総督府と情報局との間で交わされた、情報統制政策に関する書簡類の存在を確認・収集することができた。また、PRAADクマシ分館においては、前回までの現地調査に引き続き、第二次大戦期のゴールドコースト植民地内のアシャンティ地域における植民地当局による情報統制関係文書の確認・収集を行った。その結果、第二次大戦期の植民地政府・放送局関連の文書(ARG6/8/4)の存在を確認し、当館スタッフの助力によって、全文書の複写を行うことができた。これら調査によって得られた情報に基づき、報告者は英文論考を発表した。
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Research Products
(3 results)