2009 Fiscal Year Annual Research Report
吸気への成分注入を用いた新規PM・NOx後処理技術の開発
Project/Area Number |
21810034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 恵一郎 Osaka Institute of Technology, 工学部, 講師 (80549048)
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Keywords | ディーゼルエンジン / 窒素酸化物 / PM / 一酸化炭素 / 排気ガス / 吸着 / 脱着 / 燃料消費率 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は、排気ガス成分の吸着・脱着とエンジン吸気への各種ガス成分注入を組み合わせたNOx・PM同時処理システムの成立性を調べることである。H21年度は、交付申請書にも記載したように、吸脱着システムを用いる以前の基本的事項の把握、すなわち、エンジンの吸入ガス成分と排気ガス成分(NO、NOx、CO、O2、PM)および燃費との関係を把握することであった。当初計画通り、H21年度は吸入ガス成分と排気ガス成分および燃費の関係を調べた。その結果、吸入ガス中のNOが約2500ppmの時、COが約40%抑制されるのみならず、燃費が0.5~1%低減されることが分かった。更に吸入されたNOの内、20~30%はエンジン内の燃焼過程で分解されることを見いだした。NO吸入のこれらの効果は吸入ガスの酸素濃度が低下しても持続した。その他、水およびオゾン吸入の影響も調べた。水については、従来からのEGRのように吸気酸素濃度を低下させる場合の効果と比較した場合、同等のNOx抑制効果が得られる吸入量ではCOの増加がEGRよりも大きいことが分かった。オゾンを吸入させる場合は、現実的なオゾン発生電力の範囲(エンジン出力の数%以内)では、排ガス成分への影響が相対的に極めて小さいという結果を得た。以上を総括すると、H21年度の研究は当初計画通りに実施できたこと、NO吸入による燃費低減という当初期待していなかった本システムの効果を見出せたこと、から成功裏に計画が遂行できたと言える。
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