2009 Fiscal Year Annual Research Report
開港期(1876~1894年)における朝鮮の対日外交政策研究
Project/Area Number |
21820014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
酒井 裕美 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 特任講師 (80547563)
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Keywords | 朝鮮史 / 近代史 / 開港期 / 外交史 / 対日政策 / 貿易規則 / 関税自主 |
Research Abstract |
開港期(1876~1894年)における朝鮮外交の実態から、その独自の意図やメカニズムを解明する試みの一環として、1876年に締結された日朝修好条規以後、従来の方式とは異なって新たに展開された、朝鮮の日本に対する外交政策を分析するという本研究の目的にそって、ソウル駐在の各国公使と朝鮮政府の間で往来された文書が収録されている『旧韓国外交文書』(高麗大学校亜細亜問題研究所、1965年)や、近年編纂が進められている『近代韓国外交文書』(東北亜歴史財団、2009年)のほか、ソウル大学校奎章閣に所蔵されている多数の未刊行史料を精読・検討した。 まずは該当時期に関して、日朝間で外交上の懸案事項として浮上していた問題のリストアップを行ったが、特に1884年の甲申政変以前の時期においては、欧米各国との条約締結にともなう貿易規則の改訂に関する問題が目に付いたので、これに関する史料を集中的に検討した。 その成果を総合して執筆した論文「開港期朝鮮の関税「自主」をめぐる一考察」(『東洋学報』第91号第4巻、2010年3月)は、朝鮮が日本に対する開港以後、日本との関税制定交渉と平行しながら、アメリカ、イギリス、ドイツ、清国との間で、自国の関税「自主」という概念をどのように理解し、実践していったのかを論証したものである。
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