2009 Fiscal Year Annual Research Report
中央アフリカ低地熱帯林における川の民と森の民の交流史に関する歴史生態学的研究
Project/Area Number |
21820018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大石 高典 Kyoto University, こころの未来研究センター, 特定研究員 (30528724)
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Keywords | 生態人類学 / 熱帯林 / 狩猟採集民 / 焼畑農耕民 / 民族間関係 / 人為植生 / カメルーン / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
2009年12月から翌2010年1月までと2010年3月の2回、カメルーン共和国に渡航し、2002年よりほぼ隔年で継続しているカメルーン東南部の調査村におけるバクウェレ人およびバカ人の人口動態、およびミクロな居住地移動に関する現地調査を行った。ライフ・ヒストリーの聞き取りについては、短期調査のために十分に行うことができなかった。得られたデータは、これまでの調査結果と統合して、ファイルメーカーのファイル上で、人口・家族・移住履歴に関わる情報とカカオ・プランテーション所有の状況など生計経済に関わる情報をリンクし、相互参照できるようにした。近年の換金作物栽培の浸透などの社会経済変化に伴ってバカ人、およびバクウェレ人の人口動態と居住集団に最近8年間の間にどのような変化が見られたかについて国際学会にて報告した。 現在、農耕民と狩猟採集民の集団動態に関わる情報を、複数の研究者の間で共有し、長期間にわたって系時的に蓄積できるデータベースの構築を進めている。数値・テキスト・画像データだけでなく、GISをリンクすることにより、GPSにより得られている狩猟採集・漁撈に関わるテリトリーなどを地理的に可視化し、個人レベルで親族関係や民族間関係と参照した分析ができるところまで持っていきたいと考えている。 人為植生の調査については、2008年度に、別財源にて行った熱帯林内の集落放棄地の予備的植生調査の結果を共同研究者のEvariste Fongnzossie氏(ヤウンデ第一大学)とともに整理し、国内学会で口頭発表を行うとともに、次回の本調査の計画について打ち合わせを行った。他に本研究に関連する内容について、共著書への論文発表1件、紀要・報告書等への論文発表3件を行った。
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[Journal Article]2010
Author(s)
大石高典
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Journal Title
『森棲みの社会誌』第7章「森の『バカンス』―カメルーン東南部熱帯雨林の農耕民バクウェレによる漁労実践を事例に―」(京都大学学術出版会)
Pages: 97-128
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