2009 Fiscal Year Annual Research Report
イントネーションの音韻構造の解明に基づく『イントネーションの類型論』の構築
Project/Area Number |
21820026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
五十嵐 陽介 Hiroshima University, 文学研究科, 准教授 (00549008)
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Keywords | インタネーション / 類型論 / 日本語諸方言 / 韻律 / 音声学 / prosody-syntax interface / intonational phonology |
Research Abstract |
1.中国語の寅調の文中での変異 声調言語である中国語(普通話)における声調の変異に関する研究を武内真弓氏とともに行った。ある声調の実現形が、従来知られていた形とは異なりうることを示し、その変異が生じる条件を一部明らかにした。その条件のひとつは、語が単独で発音されるか文中で発音されるかというものであり、この変異がイントネーションと関わりを持つ可能性が示唆される。この研究で、声調言語のイントネーションに関する重要な知見を得た。研究成果は日本音声学会で発表した。 2.琉球語宮古池間方言の韻律構造 その韻律特徴がほとんど明らかになっていない琉球語宮古池間方言の韻律特徴に関する研究報告を、4人の共同研究者とともに、海外の学会で発表した。この言語の韻律は、声調(トーン)言語的な特徴と、ストレス言語的な特徴を兼ね備えており、類型論的観点から極めて重要な言語である。 3.日本語大阪方言における韻律と統語論の関係 大阪方言における韻律と統語論との関係を明らかにすることを目的とした現地調査を行った。大阪方言は日本語のイントネーションを考える上で重要な役割を演ずる方言である。日本語では、統語的枝分かれ構造と韻律的なフレージング(phrasing)が強い相関を見せることが知られている。一部の研究者によると、大阪方言でも当該の相関が観察されるということであるが、定量分析に基づいた研究報告は今までなされていなかった。現地調査では、約10人の話者に用意した文を方言で音読させ、その発話を録音した。現在、録音された発話の分析を行っている最中であるが、イントネーションの類型論の構築のために重要な結果が得られる見通しである。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] The tone system of Ikema Ryukyuan2009
Author(s)
Hayashi, Yuka, Thomas Pellard, Yukinori Takubo, Tomoyuki Kubo, Yosuke Igarashi
Organizer
International Workshop on The History & Reconstruction of Japanese Accent
Place of Presentation
INALCO-CRLAO, Paris, France
Year and Date
2009-09-04
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