2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21820027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古本 裕美 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 助教 (80536326)
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Keywords | 他者説明 / 日本人大学生 / 留学生 / メタ認知的知識 / メタ認知的活動 |
Research Abstract |
「留学生30万人計画」や「アジア人材資金構想」の実施により,今後日本人学生と留学生とが共に学ぶ機会が増加することが予想されるが,彼らが研究室で共に学ぶ場面を対象とした研究は未だ行われておらず,母語が異なる者同士が協同で学ぶことによって理解が深化していく過程については明らかにされていない。そこで,本研究では,日本人学生と留学生による協同学習に関する基礎的研究として,学習材料を留学生に説明するという場面を取り上げる。具体的には,日本人学生が留学生に説明するという活動は,日本人の文章理解を促進するのかという点を検証することを目的とする。 平成21年度は,日本人の大学生が外国人留学生に向けて説明する場合,どのようなことに心がけているのかを明らかにすることを目的とし,調査を行った。予備調査では,説明者である日本人大学生はどのようなメタ認知的知識をもつかを検討する質問紙を作成するために,項目の収集および精選を行った。本調査では,日本人大学生に説明文を読ませ,その内容を留学生(上級日本語学習者)に口頭で説明させた。その後,予備調査で作成した質問紙に回答させた。調査の結果,文章の読解(説明の準備)時には,既有知識を活用させながら文章の要旨を把握する傾向が高く,説明時には,音声・統語・語彙といった言語的調整に関することよりも,説明の伝わりやすさに対する意識が高いことが明らかになった。調査後に行ったインタビューから,これらの結果を導いた一因として,学習材料であった文章ξ)難易度と留学生の日本語の習熟度とが考えられた。
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