2009 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀北米自然誌の生成論的研究―ロンドン王立協会機関誌を中心に―
Project/Area Number |
21820034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Maebashi Kyoai Gakuen College |
Principal Investigator |
佐藤 憲一 Maebashi Kyoai Gakuen College, 国際社会学部, 講師 (80548355)
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Keywords | 自然誌 / ロンドン王立協会 / American Philosophical Society / John Winthrop, Jr. / Henry Oldenburg / Roal Society of London / Natural History / Transatlantic |
Research Abstract |
本研究は、アメリカ合衆国独立以前の環大西洋地域において、アメリカの自然をめぐる書法がどのように制度化されていたかについて、主に王立協会機関誌『フィロソフィカル・トランザクションズ』に掲載される自然誌記事の編集プロセスを追いながら調査分析することを主眼としている。そのために、平成21年度の本研究は、(1)1次資料の網羅的なリストアップと収集、(2)既存資料の分析と総合、の2つの作業に照準をあわせ、それらに集中的に取り組んだ。(1)に関しては、平成22年3月上旬から中旬にかけて、アメリカ合衆国議会図書館、アメリカ合衆国公文書館、および、アメリカ学術協会図書館に赴き、本研究の主たる分析対象である、17~18世紀に『フィロソフィカル・トランザクションズ』誌上に掲載された北米の自然に関する記事のもとになった書簡を、網羅的にリストアップした。具体的には、議会図書館および公文書館では未発掘の1次資料を5件、アメリカ学術協会図書館では、同じく未発掘の1次資料を47件、入手した。さらに、1次資料を検索する過程で、いくつかの貴重な2次資料も入手することができた。今後の課題は、これらを網羅的に読解し、分析・総合してゆくということになる。(2)に関しては、既収集の資料に最新の2次資料の成果を加味して、分析と総合の作業を進めた。その成果を、平成22年1月9日に専修大学で開催された日本英文学会の関東支部例会にて、「"American Curiosities"の作り方」という表題の下に口頭発表し、関連分野の研究者、特に初期近代イングランド文学の研究者から、非常に有益なコメントや示唆を得ることができた。以上、平成21年度に本研究が取り組んだ2つの作業は、次年度における当研究の成果をさらに進化・深化させるための、確かな土台となりうると自負している。
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