2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンビニ閉店にみる日本の小売業の意識の変化を文化人類学で分析する
Project/Area Number |
21820039
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
WHITELAW Gavin 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (50527140)
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Keywords | コンビニエンスストア / 小売業 / 文化人類学 |
Research Abstract |
昨年度(2010年会計年度)は、関東地区にある元コンビニ店舗オーナーを対象にフォローアップインタビューをいくつか行った。リサーチアシスタントの協力のもと、テープおこしと分析を行った。また、1999年から2011年の業界誌の中から、コンビニ店舗のオーナーシップに関する記事を収集し、インデックス化し、要点をまとめた。また、これらの記事や、過去2年の間に私が撮影した写真をデータベース化した。 研究では、いくつかの重要なパターンが明らかになってきた。コンビニ店舗オーナーの高齢化は、彼らがコンビニ経営を続けてゆく上での将来の展望に多大な影響を与えている。コンビニ経営を自分の子供等に将来引き継がせることができるという動機で始めたにもかかわらず、逆に、後を継がせることが大変であるとの理由で、閉店を決心するケースが見られる。また、コンビニの「便利さ」の定義の内容が、時代の流れとともに変化し、このことが、オーナーの決断に影響を与えている。 2010年8月から2011年3月の間、フランチャイズオーナーのアイデンティティー、店舗のオーナーシップ、コンビニ業界内での状況の変化など、私の研究のテーマに関連して私が集めた資料をもとに、講義や、論文発表を行った。英国日本研究協会(SOAS)の年次総会や、アイルランドのメイヌースのアイルランド大学で行われた欧州社会人類学協会での論文発表がこれらに含まれる。また、東京工業大学付属科学技術高等学校で、コンビニエンスストアに関するゲスト講義を行った。この講義に出席した合計35名の生徒および教員と、私の研究成果を共有することが出来た。国際基督教大学の日本研究定期刊行誌"The Frontier, "Vol.4(ICU Japan Studies Program May 2011)で、私のコンビニ研究をもとにした記事を発表する。
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