2010 Fiscal Year Annual Research Report
紙素材としての古文書・古典籍の機能論的研究-「史料学」確立のための基礎作業-
Project/Area Number |
21820048
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
渡辺 滋 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究員 (30552731)
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Keywords | 和紙 / 古文書 / 古典籍 / 機能論 / 史料学 |
Research Abstract |
本年度に調査を行った主な機関・史料名(調査項目)などは、下記の通りである。 ・2010年9月26日~28日京都御所ほか 古文書の作成・利用実態の調査 ・2011年2月25日国立歴史民俗博物館 愚昧記(重)・源氏物語(重)・顕広王記(重)・春記(重)・中右記部類(重)ほか ・2011年3月22日~24日九州国立博物館 栄花物語(国宝)・晋書列伝(重文)・唐詩残篇(重文)・古今和歌集(重文) ・2011年3月10日・17日八木書店 古紙聚芳ほか このうち国立歴史民俗博物館における調査は、宍倉佐敏(紙繊維の専門家)氏との共同調査であり、その成果はすでに「国立歴史民俗博物館蔵 古文書・古典籍料紙の調査」(宍倉2010)などとして公表した。また、他機関における調査の成果も含め、以上のエッセンスを『古典籍・古文書料紙事典』(2011)として刊行予定である。 このほか、黒川文庫(明治大学)では、二年間にわたり大学院生(2名)の協力を得て、毎週火曜日に調査を進め、未調査分の全調査を完遂した。その成果は、採取した全調査データを、今年度中に雑誌(明治大学図書館報『図書の譜』)で公表することを目標に、目下鋭意、整理を進めている最中である。 本来であれば、2010年度中に公表すべきところであるが、予備調査(2009年9~10月)により、従来の暫定目録が不十分であると判明し、作業全体の枠組みを再検討する必要に迫られ、当初の想定よりも大幅に時間・労力を要する結果となった。そのため、全体で延べ500時間以上の調査を遂行したにもかかわらず、調査作業自体が最終年度の3月最終週までかかってしまい、データ入力などの作業は、個人的に2011年度以降も継続して進めている状況である。
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Research Products
(8 results)