2010 Fiscal Year Annual Research Report
多様な英語の産出と知覚における音声的な分かりやすさの境界点とその音響的な定量化
Project/Area Number |
21820062
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Research Institution | Yokohama College of Commerce |
Principal Investigator |
山崎 大介 横浜商科大学, 商学部, 講師 (00549537)
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Keywords | 音声学 / 英語 / 日本語の母語話者 / 分かりやすさ / プロソディー |
Research Abstract |
本研究の目的は、それぞれ異なる母語を持つ人々によって話されている様々な種類の英語の相互的な「分かりやすさ」について解き明かすことである。特に、そうしたそれぞれ違った英語の産出・知覚における相関関係や、多様な英語を産出・知覚する際の音声的な「分かりやすさ」を決定付けるパラメーターは一体何なのかということ、さらには、「分かりやすさ」に直接関わる韻律的要素は一体どのような意味や効果を持つのだろうかということに主な焦点を当て、違う母語を持つ話者による英語の産出・知覚実験を行い、得られたデータを定量化すると共に、結果を分析し考慮した上で、最終的に「分かりやすさ」について定義することを目指している。なお、平成22年度には、日本語の母語話者が話す英語の特徴に関するものを含めて文献調査等を行うと共に、産出・知覚実験等の各種実験や、データ処理並びに分析等を行った。実際、日本の企業等における英語の社内公用語化の動きがより活発になってきている現代においては、英語の非母語話者である日本語の母語話者同士が、英語という言語を媒体として、お互いのコミュニケーションを図らなければならないという状況がさらに増えるということが予想される。そうした中、いかにして日本語の母語話者による英語が相手により分かりやすくなるのかということに関して、知見を広められたことはとても意義深いと考える。また、「分かりやすさ」に影響するとされる韻律的要素の音響的な定量化に関するデータ等は、今後の英語教育における音声指導において、特に発音の指導や評価等をする際においても活用できるのではないかと考える。
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